【感想】『噓つきのための辞書』/エリー・ウィリアムズ(著/文),三辺 律子(翻訳)

おすすめ

普段ミステリやホラーばっかり読んでいる中でのちょっとした息抜きで、まずジャケットに目が行き、タイトルを見て手に取ってみました。

あらすじを読んで見るととても引き込まれて面白そうな内容だったので読んで見ました。

なかなか海外文学ってあまり読まないのですがこの本は内容も文章も美しくて最後まで楽しく読めました。

今回はそんな『噓つきのための辞書』についての感想を書いていきます。

『噓つきのための辞書』

あらすじ

1930年に1度出版されたきりの未完成の辞書に紛れ込んだ架空の項目(マウントウィーゼル)を探すインターンの女の子マロリーと19世紀に憂いを晴らす為に架空の項目を辞書に挿入していく辞書編纂者の時代を超えた物語。

おすすめポイント

  • 翻訳の凄さ
  • 言葉が好きになる
  • 読んでて楽しい気持ちになる

この小説は英語の辞書を扱っているだけあって翻訳するにあたって大変な苦労があったと思われます。

英語の知識がなくても三辺 律子さんの翻訳のおかげで英語の辞書や英語のスラングなどの雰囲気を読んでて掴むことが出来ます。

また、辞書編纂を行う言語偏愛者が物語を動かしていくので、語源に関する記述が多く登場します。

しかし、全く退屈ではなくむしろ言語に対する執着や愛にどんどん惹かれる内容になっていました。

暗く大変な場面でも地の文はどこか明るく力強いので終始楽しい気持ちで読む通すことが出来ました。

まとめ

たまにこういう出会いがあるからジャケ買い、タイトル買いはやめられませんね。

全体を通して楽しい雰囲気の物語で海外文学を普段読まない方でも楽しく読書出来る内容になっていると思います。

どんなに嫌なことがあっても辞書に飼いならされているせいで新しく知った言葉の使い方を聞きたくてうずうずしているウィンスワースがお気に入りです。

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