【感想】『自由研究には向かない殺人』/ホリー・ジャクソン 訳:服部京子

おすすめ

第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇
第2位『このミステリーがすごい! 2022年版』海外編
第2位〈週刊文春〉2021ミステリーベスト10 

英米でも大ベストセラーとなり数々のミステリランキングに名を連ねる本作

『自由研究には向かない殺人』/ホリー・ジャクソン

あらすじ

主人公は高校生の女の子ピップ。

ピップは自由研究で5年前に自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件について調査を行う。

交際相手の少年が少女を殺して、自殺したとされていたが、少年と親しかったピップは、少年が犯人だと信じられず自由研究を口実に関係者にインタビューを行い事件の真相に迫っていく。

おすすめポイント

  • 主人公が前向きでひた向き
  • 図や写真のギミックが新鮮
  • 等身大の女子高生の捜査

主人公のピップが前向きでひた向きで、事件の内容的にはどんどん身近な人が容疑者にあがっていき暗い感じになっていくが、それに負けない明るさがあって読んでて楽しくなる小説。

手掛かりになるSNSの画面やメッセージアプリのやり取りの画像などが挿入されており、主人公と同じ目線と条件で事件の真相に一緒に迫れる。

女子高生ならでは捜査方法で、関係者にインタビューを行ったり、SNSを駆使して容疑者をどんどんリストアップしていく。

また、自由研究のていを取っていてインタビューや作業記録、容疑者リストがページををめくるごとに更新されていき、現状の容疑者やどこまで証拠が集まっているかも読んでて分かりやすくなっています。

まとめ

自由研究の形をとりながら進んでいく推理小説。

作業記録、インタビュー、SNSの画像の挿入など新しい試みが多数あって新鮮な読書体験を味わえる。

展開も盛りだくさんなので500p越えを感じさせない。

事件の暗さに反して主人公ピップの明るさとひた向きさに心を打たれ、読んでいて楽しく、心弾む気持ちになる本になっています。事件の内容は重いのに。

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