『森が呼ぶ』/宇津木健太郎
エブリスタ×竹書房
第2回最恐小説大賞 受賞作
シンプルなタイトルとは裏腹に奥が深い作品。
土着信仰ホラーの不気味さを存分に体験出来ます!
あらすじ
姉が死んだことにより村の神事を司る家の家督を受け継ぐ羽目になった親友の身を案じて、お盆休みを利用して親友の実家がある「犬啼村」を訪れた手記の綴り手の「私」が村で起こった出来事を日記の形でしたためていく。
狗神を奉る「森奉教」の正体とはいったい!
こんな人におすすめ
- 民俗ホラー好き
- 昆虫好き
- グロ耐性あり
「森奉教」という狗神を奉る土着信仰が根差した村「犬啼村」という村を舞台にしており、民族ホラーならではの不気味さが存分に体験できます。
手記の綴り手「私」は昆虫学を専攻しており、家督を継いだ親友にあうついでに村で昆虫の生態系の調査を行っていく。
調査の過程でいろいろな昆虫の生物相についての話や犬啼村の宗教の調査に訪れた大学准教授「鵜飼耕平」による虫についての怪異の説明は非常に興味深かった。
後半につれてかなりグロくて背中がぞわぞわする描写があるので、グロ耐性がないとなかなか読み進めていくのがしんどくなると思います。
また、昆虫がいっぱい出てくるので虫が苦手な方などは注意して読む方がいいと思います。
注目ポイント
日記の様相を呈している
作者の注釈がより不気味さを際立たせる
日記の体で書かれており、綴り手の「私」が体験したことを遡って思い出して、日記という形で書かれており、綴り手の恐怖が臨場感を伴って襲ってくる。
また、途中で入る作者の注釈もリアル感を引き立たせており、より一層恐怖を煽ってきます。
まとめ
森が呼ぶ。
シンプルなタイトルで侮っていましたが、驚愕の連続でした。
エブリスタの長編ホラー小説コンテスト「第2回最恐小説大賞」は伊達じゃなかったです。
「第1回最恐小説大賞」の『ヴンダーカンマー』とはまた違った恐怖の形で楽しめる作品でした。
ちなみに『ヴンダーカンマー』はこんな小説です。
両作品とも現在Kindle Unlimitedで読むことが出来ます。
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