三津田信三とは
元編集者という経歴をもち、2001年に『ホラー作家の棲む家』で作家でデビュー。
ホラーのようなミステリ、ミステリのようなホラーといったジャンルの垣根を超えた作品を多数執筆されております。
ホラー好き、ミステリ好きどちらにも刺さる作家さんです。
今回はその中でも三津田信三さんの代表作的作品を紹介させていただきます。
三津田信三おすすめ書籍
『首無の如き祟るもの』
「本格ミステリ・ベスト10」2008年(国内部門) 2位
『ミステリが読みたい!2008年版』(国内編)3位
『このミステリーがすごい!』(2008年、国内編)5位
と数々のミステリランキングで上位にランクインしている本作。
「刀城言耶シリーズ」の厭魅、凶鳥に次ぐ3作品目。ミステリとホラーの定番「首無」を
扱っており、「刀城言耶シリーズ」の中でもミステリとホラーの旨味を存分に味わえます。
1作目、2作目を通して読んで刀城言耶の人となりを理解して読めばより楽しめるが、
この作品だけ読んでも十分に楽しめる作品になっています。
『ホラー作家の棲む家』
デビュー作。『作者不詳』『蛇棺葬』と続く作家三部作の1作目。作家本人が実名で登場し、劇中作の体を取っており、現実とフィクション、ミステリとホラーがうまい感じで溶け合っており、新鮮な読書体験を行える作品となっています。
ホラー小説、ホラー映画についての専門的な話も出てきて、読了後はホラー作品に触れたくなること間違いなしです。
『のぞきめ』
「のぞきめ」という怪異についての怪異譚集。別の時代の同じ場所で起こる怪奇現象に翻弄される登場人物を描いた作品。
本作も執筆者の三津田信三が語り手として登場しており、どこまでが現実でどこからが創作かの線引きがあいまいで、作中で起きた怪奇現象があたかも実際に起きたことのような感覚を味わえるつくりになっています。
また、装画は綾辻行人さんや相沢沙呼さんなどの小説の装画も描かれておられる遠田 志帆さんが担当されており、より背筋がゾクッとするような仕上がりになっています。
ちなみに
長篇『のぞきめ』を第一作とする「五感シリーズ」の残りの四作『みみそぎ』『ざわはだ』『ふしゅう』『いやあじ』を一気に脱稿する。今月から7月まで毎月一冊ずつ連続刊行する予定です。 pic.twitter.com/SNLT1S0EwZ
— 三津田信三 (@shinsangenya) March 31, 2022
2022年のエイプリルフールに投稿されたツイートで嘘だとネタバラシされているが、『みみそぎ』は噓から出たまことで実際に書籍化されている。
残りの『ざわはだ』『ふしゅう』『いやあじ』が書籍化する日がくるんでしょうかね。
『禍家』
三津田信三さんが描く「幽霊屋敷小説」
『ホラー作家の棲む家』の舞台である「人形荘」もチラッと登場して、他作品へのつながりも感じられます。
12歳の少年が主人公で両親を事故で亡くし祖母と一緒に引っ越してきた家に既視感を覚える。
その中で数々の怪異に遭遇していき、この既視感の正体と怪異についての秘密を解き明かしていく話となっています。
12歳の少年の視点で描かれており、自分が12歳でこんな体験したら、どう感じるかなーっと想像しながら読み進めていくとより恐怖を味わえてとてもゾクゾク出来ました。
この作品は何年も前に読んだ作品になりますが、少年を襲う怪奇現象の描写はずっと心と頭に刻まれて残っていて、とても迫力があって怖くて面白いです。
ぜひ、12歳の自分ならどう思ってどう感じるかを想像して、見ながら読むのも面白いと思うので試してみてください。
『忌物堂鬼談』
所有するだけで祟られる「忌物」を蒐集する「遺仏寺」の住職天山天空の元へ得体のしれない何かに脅える中学生の由羽希が救いを求めて訪れる。
天空に命じられて、由羽希は毎夜、遺仏寺を訪れ忌物に纏わる怪異譚を聞かされていく。
由羽希の悩まされている怪異の調査を進めていく代わりに忌物に関する怪異譚の文字起こしを依頼する天空。
数々の所有するだけで祟られる「忌物」に関する怪談話が繰り広げられていく連作ホラー短編集
怪異譚を語る前の由羽希と天空の掛け合いがとても楽しく、怖い話を聞く前に心を穏やかにさせてくれます。
1つの小説として読んでも短編集として読んでも楽しみめる作品となっています。
現在はまだ1冊しか出ていませんが、煽り文で「待望の新シリーズ」と記載されていたので、続編が出るのがとても楽しみです。
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