山岳小説とは
山登りを題材とした小説。実在する山を舞台に描かれており、自然の美しさや、怖さを
実際に登らずにヴァーチャルで体験できる小説。登山経験者も未経験者も楽しめる作品が
たくさんあるので今日はその中からおすすめを3選紹介します。
『神々の山嶺』/夢枕獏
前人未踏のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑む姿を描くフィクション作品。
クイズ界で有名な実在の登山家ジョージマロリーの謎についても触れており、登山界の裏側的な部分も感じることができます。
また、岡田准一、阿部寛といった豪華キャストで映画化もされているので、上下巻で分量も多いですが山岳小説の1冊目としてはおすすめの作品になっております。
『凍』/沢木耕太郎
実在の日本人登山家夫婦を主人公とし、8000メートル峰14座にわずか48m足りない、標高7952mの山「ギャチュンカン」に挑む姿を描いた本作。えっこれ本当にあった話と疑いたくなるほどの山野井夫婦のぶっとんだ山岳エピソード満載で読んでいて驚きが多いです。また、2002年に実際に起きた事故を元にしているので、改めて自然の怖さというものを感じることができます。
この作品を気に8000m峰14座の名前を全部覚えようという気になりました。
ますます山岳小説を好きになれる1冊になっています。
『大岩壁』/笹本稜平
8000m峰14座の第9位の山、標高8126m「ナンガ・パルバット」を舞台としたフィクション作品。
1953年7月3日にヘルマン・ブルーが初登攀するまでに多くの犠牲者を出し、「魔の山」「人食い山」と恐れなれている山となっています。その「魔の山」への人類初となる冬季初登頂を目指す物語。
この小説の初出時、現実の方でも冬季登頂はなされていませんでしたが、2016年2月26日に冬季登頂が達成されました。『大岩壁』の1刷りが2016年5月26日なのでなんと絶妙なタイミングですね。
この小説を読みと登山家の飽くなき探求心やドMさがひしひしと伝わってくる作品となってみます。
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